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Amazonの圧倒的なサービスと本屋の売上がヤバイ理由:紙の本は電子書籍に滅ぼされるのか

おつかれさまです。今回は街の本屋がヤバイことになっている理由を考察していきます。Amazonと本屋、どうも本屋は勝ち目がないっぽい

いくつか関連する統計を見ましたが、今後、電子書籍が紙の本より主流になっていく未来が見えます。

まず、2018年現在の”街の本屋さん”の現状を紹介し、次にAmazonや電子書籍と比較していきます。

”街の本屋さん”の現状|芳林堂書店の破産と推定販売金額の減少

”街の本屋さん”がヤバくなっていることの証左として、芳林堂書店の倒産が挙げられます。90年後半から出版業界自体はヤバくなっていってたんですよね。

芳林堂は1948年創業の老舗書店99年に70億の売上を達成して後、右肩下がりで業績が下落

2016年2月26日に東京地方裁判所から破産手続き開始の決定を受けました。日刊ゲンダイやHUFFPOSTをはじめネットニュースにも大きく取り上げられています。

大きく売上高を減少させているのは書店だけではなく、本特化の大手リサイクルショップ:ブックオフも同様。ブックオフの場合はAmazonの台頭が大きく関係していると考えられます。

▼ブックオフの過去13年のチャート。Amazonの波が来ると同時に売上高が減少していく構図が浮かびます。

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街の本屋さんがヤバイ背景に「本が売れなくなっている」現状

紙の本自体が、そもそも96年を境に年々売れなくなっています。これは堅い本に限らず、コミックなどエンタメ系ジャンルも同じ。

▼公益財団法人 全国出版協会が公開しているグラフ。『日本の出版販売額』

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もちろん96年以降もメガヒット商品はありました。代表的なものが97年『ハリーポッター』シリーズ。それでも尚、右肩下がりは打開できていないのです。

ちなみに文庫本に至ってはもっとヤバイ。14年に消費税の増税、販売額が急激に下落しています。

▼公益財団法人 全国出版協会が公開しているグラフ。『文庫本販売額』

 

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そもそもAmazonの台頭と関係なく、本はバブル崩壊を境に売れなくなっていきました。出版不況というワードも定着してずいぶん長い。※Amazonが日本語サイトで「本」のストアをオープンしたのは2000年11月

1996年の2兆6563億円[3]をピークとして2017年現在の売上は1兆3701億円と1兆円減少[4][5]している。1970年代から雑誌が書籍の売上を上回る「雑高書低」が続いていたが2016年、41年ぶりに逆転する[1]。雑誌は19年連続、書籍は10年連続の前年比割れが続いている[5]wikipedia「出版不況」

街の本屋さんの筆頭ライバルAmazon

では、次に本屋さんのライバルであるAmazon/電子書籍を見てみましょう。

こちらはAMZN(Amazon)の株価チャート。1998年から2018年11月までのものです。

▼AMZN。15年以降の躍進は特に著しい。

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18年8月から急落している点は、また別の問題(テックバブルの終焉と呼ばれている)をはらんでいます。概ね、上場以降より右肩上がりで上昇しています。

Amazonの資本金は8192億円相当、売上高20兆円相当にのぼります。書店業界1位の紀伊国屋書店が資本金3600万円、売上高1086億円。およそ200倍の差。Amazonは日本事業に限っても1.3兆円。化け物です。

ちなみに先ほど例にだしたブックオフがは売上高786億円。やはり比べ物にならないレベルの差があります。

EC事業以外にも非常に好調で、AWS(クラウドコンピューティングサービス)は直近四半期で+45%の成長を記録しています。

Amazonの驚異的なサービス:kindle unlimited

電子書籍が出版不況のなかでも大きく成長していることは後述しますが、Amazon×電子書籍を最大化させたサービスにkindle unlimitedがあります。

読書好きの皆さんであれば、聞いたことがあるかもしれません。月額980円という破格で20万冊の本が読み放題になるサービス

先ほどから例に出している紀伊国屋書店(業界1位)。その中で最も大きな店舗である新宿本店の販売書籍数は58,425冊です。

こんなサービスを出されたら、一般的な書店はちょっと太刀打ちできないです。移動する必要が無いので時短できるし、ポケットの中に紀伊国屋書店-新宿本店の3倍超の書籍を持ち歩ける。そればかりか”読み放題”です。

▼kindle unlimited。初月無料で使えます。無料期間だけでも1度は使ってみるべきサービス。現在-近い未来の流れに置いてかれたく無いなら登録必須レベルです。

電子書籍と紙の本:恐らく将来的に売上高は逆転する

街の本屋さんの大きな脅威に”電子書籍”の台頭があります。代表的なものはAmazonが提供しているkindleですね。

電子書籍が優れている点は在庫リスクや場所的なデメリットも無いことだからkindle unlimitedが実現できる

では現在、電子書籍が紙の本を圧倒しているかというと、そうではないです。売上は紙の本がまだ優勢です。

出版科学研究所のデータによると、電子書籍の割合は書籍全体の11.5%(2016)に過ぎません。しかし、コミック市場に目を向けると電子書籍は33%を超えています

また、電子書籍の割合は年々増加しています。14年が6.6%⇒15年が9.0%⇒16年が11.5%。およそ2.5%ずつ電子書籍が増えている。

「電子書籍が紙の本に取って代わる」という論調は、今の「本」市場占有率ではなく、この増加率に根拠があります。

僕は、そんなに遠い将来ではなく、電子書籍の割合が紙の本を追い抜く日は来ると考えています。単調増加をしても16年後には50%になります。実際はもっと早いでしょう。

電子書籍の方が圧倒的に利便性が高い。コストも安く抑えられるし、在庫リスクもない。ネット注文でも送料を気にする必要が無くなった。

今後、街の本屋はどうなるのか:事業縮小は余儀なくさせられるのでは

本屋は非常に苦しい立場に置かれています「そもそも本が売れない」「Amazon/電子書籍の台頭」対抗しようにも、ライバルが強すぎます。

書店形態にこだわり続けるのであれば、遅かれ早かれ、事業を縮小することはどこの書店でも避けられないと思います。

しかし、街から本が無くなるかというと、それはそれで現実的ではない。電子書籍が出て数年経っても紙の本が売れ続けているのが証左です。

紙の本そのものに価値を感じている人がいる以上、そのニーズを満たす商売は成り立ちます上手くニーズをつかんでいる例がまんだらけ

まんだらけは規模こそ大きくないですが、ここ数年で右肩上がりの株価を記録している珍しいリサイクルショップの1つ。

マニアックな古本・漫画に着目して商品をそろえた後で、おもちゃ・フィギュアに横展開しています書店形態の少し先の未来ではないでしょうか。

本そのものは、今のCDの立場と近くなるんじゃないかなと考えています紙の書籍をサイン色紙にしたり、別のベネフィット(握手券的な)をつけたり。むしろ、今そうなっていないのが少々不思議なくらい。

まとめ:Amazonと本屋には圧倒的な差がある:方向転換をして生き残るのでは

Amazonと本屋には圧倒的な差があります。Amazonには潤沢な資本があり技術もある。とりわけkindle unlimitedは特筆すべきサービス。

しかし、書店も全く太刀打ちできないわけではありません。たとえば「まんだらけ」。親和性のある他の商品と組み合わせて、Amazonが届かないニッチを上手に付いています。

この例のように、他の主要書店も事業縮小しつつ別ジャンルと組み合わせて業態を変えていくのではないでしょうか。

Amazonや電子書籍に嫌悪感を示す方は一定数いますが、僕は技術発展を素直に喜びます。今後、出版業界がどう変わっていくのか楽しみです。

▼合わせてどうぞ

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