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イマをハックする

『若者のテレビ離れ2017』ー「僕たち」の変化と「メディア革命」の足音ー

 

今更ながら、テレビ離れという現象が起こっているとのこと

2年前の記事かよ、と突っ込みたくなるような見出しなんですけど、はい2017年の夏に書いております。

一時期話題のなった、「若者のテレビ離れ」。

2年前のITメディアの記事にも「テレビ離れ、鮮明に」というタイトルと共に若いテレビ視聴者層が少なくなっていることが書かれています。

1995年にWindows95が登場してからバーッとパソコンが広まっていき、また2006年くらいにスマホが登場、人間の可処分時間をゴソっと奪っていきました。

思春期、刺激の薄いテレビの代わりに、フラッシュムービーを見てゲラゲラ笑い、ニコ生を視聴し、モバゲーを弄っていた人も多いのではないでしょうか。

なんせ僕がそうだったのです。テレビの番組制作チームがつくった番組よりも「リアルアンパンマン」や「サシマン(※現:MAHOTO)」を好み、2chにスレを立てては伸びず肩を落とし、新しい時代の重来を肌で感じていました。

資料1リアルアンパンマン

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出典:面白フラッシュ&面白ムービーズ 面白フラッシュ(アンパンマン)

2007年頃に流行したフラッシュムービー。

筋肉がモリモリのアンパンマンという時点で無理矢理笑いを取ってきているが、「ジョジョの奇妙な冒険」をオマージュしていたり、印象以上に細かいネタも仕込んでいる作品。

資料2毒男を飼いたいんですが…

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出典:毒男を飼いたいんですが…

2008年頃に流行したフラッシュムービー。

毒男は右から2番目の紫色のキャラクター。

ふざけているタイトルにふざけた描写も多いのだけど、想像以上に感動できるヒューマニズム溢れる作品。

テレビ離れ」の背景で、人間はどう変化をしているのか

コンピュータが出てくる前、テレビが大きなメディア装置として疑う余地なく働いていた時期は、人間は1つの、もしくは、せいぜい番組ごとの文脈に沿った感動体験をしていました。

川で例えたら分かりやすいかもしれないですね、コンピュータ登場以前、日本人は皆、情報・娯楽・日々の生活術etcを、この大きなアマゾン川のように1本の巨大な主流から仕入れ、またコミュニケーションの方法も、巨大な主流を軸に構成されていました。

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出典:https://blogs.yahoo.co.jp/joyjoy66joy2000/17226768.html

しかし、コンピュータが登場してから、人間の可処分時間はテレビ以外のメディアにも注がれるようになり、娯楽や情報の源泉が1つではなくなったのです。

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1次情報はひとつだけれど、多くのテレビ以外のメディアが登場したことによって、テレビ以外の多角的な視点を自然と持つようになり、人々は自分が気に入った視点で情報を観ることができるようになりました。

その結果、以前のように、恣意的な考えを持ってテレビという巨大なキュレーションメディアで人間の視点をひとまとまりにすることが出来なくなってしまったんです。

そうなると、人間の判断基準は自然と変わります。

「メディア(大きな権力)が言っている」という判断基準から、相対的に「論理的に整合性がある・客観的な視点を持てている」「思想が似てる人が言っている」という基準にシフトしました。

まだ全員が全員、この認識の変化をしているわけでは無いですが、以前よりも権力が、権力そのものの権威性のみでは信頼されなくなったということは、様々なところから読み取れるのではないでしょうか。

「テレビからネットへ」が実感できない理由

さて、「人々に認識の変化が起こった、判断基準が巨大メディアが提供する1つではなく複数になった」ということは誰もが言語化しないまでも、肌で感じているところだと思います。

肌感の通り、ここ数年、「テレビ離れ」が話題になったように明確にネットへ人々の関心はシフトしていってるのに、

そして、そのことを多くの著名人が発言しているのに、なぜか、イマイチ信憑性が無い感じはしないでしょうか。

というよりもむしろ、テレビからネットに取って変わることなんて無いんじゃないだろうか、テレビは巨大なメディア装置のまま権力を保持し続けていくのではないだろうか…、というある種の「ツマラなさ」といいますか、

90年代後半に、社会学者の宮台真司が唱えた「終わりなき日常」の延長線上にある、一過性の、夏祭りの花火のような虚しさの混じったワクワクをデスクトップに映している人も少なくないのではないでしょうか。

終わりなき日常を生きろ―オウム完全克服マニュアル (ちくま文庫)

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 多くの著名人は「世の中は変わっていく」と言っているのに、また実際に人々の判断基準の材料も変化しているのに、なぜ実感だけが出来ないのでしょうか

僕はその著名人との感覚の乖離は、

  • 弱くなったとはいえテレビの権威性が保持されていること
  • 話題の発信源は未だテレビが根強く残っていて、ネットメディアはテレビの発信をリライトして情報提供することが多いこと

に関係していると、僕は解しています。

まず、テレビの権威性は保持されているという話ですが、例えば『逃げるは恥だが役に立つ』というドラマでは、「テレビ離れ」と言われているなかでも、最高で30%超の視聴率を叩き出しました。

toyokeizai.net

モバイルが普及し人々の情報源が増えてもなお、圧倒的に面白いコンテンツを創り出すことで、力技で多くの人の心をわしづかみにしました。

恋ダンス」が話題になり、若者の間で流行した

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出典:newsimg.music-book.jp

また、後者の「話題の発信源は未だテレビが根強く残っていて~」というのは、例えば2chが話題にするアニメの話やニュースの話も、結局多くの1次情報をテレビから持ってきているところにあります。

確かに1次情報をテレビから持ってくるのは、わざわざ足を運ばなくていいから楽だし、有名な番組であれば番組名を冠するだけで権威性を持つことにも繋がります。

例えば、一時期アフィリエイターの間で大流行した「トレンドアフィリエイト」の手法も、情報をyahooの芸能ニュースから持ってくることが前提でした。

情報源をテレビに握らせてしまったのです。

わざわざネットで調べてテレビと同じかそれ以下の情報が出てくるなら、それはテレビで十分でしょう。

ネットの「多角的な視点を提供できる」というテレビと差別化できる強みを、どうも生かし切れていない点に問題があります。

Adsense収益目的のアフィリエイターも面倒くさがって一時情報をテレビに頼ってしまっているのです。

これでは多角的な視点も何も無いでしょう。

ネットはテレビに勝てるのか

多くの実業家や著名人も、「これからはネットの時代」だと息巻き、来るネット社会に向けて自身を最適化しようとしているように見えます。

藤田晋社長の「インターネットテレビ局」AbemaTV

abema.tv

webで全ページ公開に踏み切った『えんとつ町のプぺル』(著:にしのあきひろ)

spotlight-media.jp

 

ネットで話題の有名人達がこういう動きをしていると、「ネットがテレビの権威性を完全に失墜させて世界を覆う日は近いんじゃないか」と、革命の真っ最中にいるようでワクワクする気持ちになります。

しかし、現状逃げるは恥だが役に立つ』が視聴率30%超えで未だテレビは多くの人の心を捉える装置らしいことも伺えます。

僕も(やはりネットがテレビに変わる日なんて来るのかな…)と、この話を結論づけようとしていました。

ところが、調べてみて驚いたのだが、youtuberのヒカルさんが今年の春に公開していた「祭りくじ」の動画が、1500万を超える再生回数を誇っていたんです。

当たりはなかった?祭りくじで悪事を働く一部始終をban覚悟で完全公開します - YouTube

これは、ビデオリサーチ社の調査を元にざっくりと計算すると、関東の視聴率37%に相当する数値です。

  • 視聴率1%あたり、推定視聴人数40万6千人

※また、関東圏が一番視聴率あたりの人数が多いため、他の地区を合わせて計算するとヒカルさんの「祭りくじ」動画の視聴率はもっと伸びることになります。

もちろん、youtubeには半永久的に動画が残る仕組みなので、リアルタイムの視聴率を表しているテレビ番組と公平な比較はできないが、大きな影響力をもっていることは確かでしょう。

まとめ

「若者のテレビ離れ」について、また「ネットはテレビに勝てるのか?」という旨のことを書いてきましたが、前者は既にエビデンスが出ているので置いておいて、後者について、僕は時間の問題だと思っています。

というのも、例えば先の例で出したヒカルさんの動画は(かなり雑な計算ですが)大人気ドラマを超える視聴率を誇り、しかも凄いことに他のコンテンツに依存していないオリジナルの内容でこの数値を勝ち取っています。 

また、トレンドアフィリエイトの例を出しましたが、実は近年、Newspicsなどテレビには載らないレベルの深い情報を発信しているサイトもあります。

newspicks.com

そこらへんのトレンドアフィリエイターが収益目的のみで紹介しているような陳腐な情報ではない、本質的な情報が満載です。

また、Amazonのネット番組では豪華な芸能人を使った番組が放送されています。

ただ、何も目的が無くても電源を入れるだけで「面白い体験」ができるというテレビはやはり強く、も少しテレビが優勢な時代は続くでしょうけど、

ザックリした言い方ですがネットコンテンツの充実化とUXの高度化によってテレビに追いつく日も近いと思います。

ネットコンテンツのレベルが上がってきたこと等は、また改めて別の日でも紹介しようと思います。

そんな感じです、個人的には「リアルアンパンマン」等で育ったので、もしネットがテレビを追い越したら面白いなぁと思って世の中を見ています。

新しい時代というのはワクワクしますよね。